リードスイッチ式転倒升とはいったいどのようなものか

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リードスイッチ式転倒升とはいったいどのようなものか


そもそもリードスイッチとは何なのか?



リードスイッチ式転倒升について解説する前に、この「リードスイッチ」とはいったい何なのかについて説明します。この部分を理解していないと違いについてよく分からないものとなってしまいます。リードスイッチとは、一対の磁性体金属板にオーバーラップした部分をつくり、一定の間隔をあけて不活性ガスと共にガラスチューブに入れたスイッチとなっております。このガラスチューブの中にはガスが封入されていますが、長寿命化のためには必要な要素であるため、必須なものとなっているのです。

このリード片の接点の部分には貴金属メッキがされていますが、大体がルテニウムやロシウムといったものとなっており、これも長寿命化のための措置となっているのです。このようにして作られたリードスイッチに磁力のあるマグネットやコイルを加えて磁界を発生させると、このリードが磁化されるようになって接点部分がN極とS極の異極になるのです。つまり、磁界が発生することで働くようになり、接触して回路を閉ざすことができるということになります。逆に、磁界を消去すればリードの弾性によって元通りになり閉じていた回路も再び開くようになるということです。

非常にシンプルに言ってしまえば、磁力と金属板を使って磁界を作り、磁化させて回路を閉じたり開いたりできる構造になっているということです。長寿命化させるためにいろいろな工夫が施されていますが、仕組み的にはわかりやすいものとなっているのではないでしょうか。転倒ます型雨量計にはこのリードスイッチ式がかなり用いられており主流な商品となっているのです。



リードスイッチ式転倒升の利点について



それでは、リードスイッチ式転倒升の利点について紹介します。まずは仕組みがシンプルな分、小型化が可能なことです。雨量計として用いるものすべてに必要な要素ではないかもしれませんが、持ち運びを行うこともあるでしょうし、測定地点を固定ではなく、測定を終えたら別の場所に動かして再度測量を行う場合もあるでしょう。そのような作業を行う人たちにとって小型化や軽量化はとっても重要なことなのです。もちろん、リードスイッチ式は小型化が可能なので、軽量化も可能となっています。そのため、これを用いている雨量計は小型で使いやすく、軽量で取り扱いが簡単であるといった部分を売りにしていることが多いのです。

次の利点は不活性ガスがガラス管内に封入されているので、接点の部分が大気中の埃やガスの影響を受けないことです。つまり環境性能が高いということです。あらゆる劣悪な環境であったとしても、スイッチの動作不良といったものが起きにくいので、持ち運びができて軽量かつ壊れにくいという利点が組み合わさったものとなっています。

また、構造がかなり単純なものなので、摩擦といった消耗の原因となる動作が必要ではなく、劣化や摩耗が少なくなっています。つまり寿命が長いのです。このように、軽く壊れにい、小さく寿命が長いといった持ち運びに必要な要素が全て詰まっているのがリードスイッチ式転倒升となっています。



リードスイッチ式転倒升以外のもの



リードスイッチ式転倒升の利点について紹介しましたが、現代において主流となっているのは、このリードスイッチ式転倒升の雨量計以外に貯水型雨量計というものもあります。おそらく、この貯水型雨量計のほうが皆さんにとってなじみの深いものとなっており、なんとなく雨量計と言われればこちらを想像するのではないでしょうか。この貯水型は貯水瓶に溜まった雨水をメスシリンダーに移して雨量がどうなっているのかを調べるものなので構造的にもこちらもシンプルなものとなっています。

「転倒ます」を備えた雨量計は一定量の水が溜まることで、ししおどしのように転倒して排水を行い、この転倒の回数で降水量を測定するのです。そのことから転倒ますと呼ばれているのですが、放置した状態であったとしても測定が可能なことから、転倒ます型雨量計は河川事務所や気象庁といったところで使われるようになっていきました。このように、雨量計は天気予報といったものにも活用できるものではありますが、近年頻繁に起こっている災害の一つである河川の氾濫や集中豪雨といった雨の被害を防ぐためにも有効活用できるものなので、リアルタイムで監視をするための要素のうちの一つとして働かせることも可能なのです。

ちなみに、リードスイッチ式転倒升といったものについている転倒ますには、転倒回数の計測のためにリードスイッチが取り付けられていたりマイクロスイッチが取り付けられているので、転倒回数がどうなっているのかを測るためのものと覚えておいてください。カウンタ式の磁気装置やパルス発信器といったものを装着させることで、モニタリングが無人でも可能であるため、使い勝手もやはり良いものであると言えるでしょう。

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