小型土壌水分計って何?どんな用途や種類がある?

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小型土壌水分計って何?どんな用途や種類がある?

土壌水分計とは


土壌水分計とは、名前の通り土壌にどれだけの水分が含まれているかを計測できる機器です。あまり一般の人には馴染みのないものかもしれませんが、農作物を作る際に使われることがあるものです。その他にも、研究目的で利用されることもあります。土がどれくらい水分を含んでいるかを示す値としてpF値というものがあり、これを測ることができます。このpF値というのは、土壌の中にどれくらいの量の水があるかではありません。一見違いがないように思えますが、土の中にある水というのは、土に吸収されるものとされないものがあります。そのためpF値は土が毛細管現象によって吸い上げた水分の量を量っています。土の状態によっては水分を吸いにくいこともあるため、土壌水分計を使ってpF値を計測することで、より土の状態がわかり、作物に適した環境をつくることができるのです。
土壌水分計を使うことによって、今まで長年の経験で判断していた土の状態を化学的に判断することができます。そうすることによって適切な水分量がわかったり、水分量と作物の味や大きさなどの関連性についてデータをとって分析することもできます。趣味の家庭菜園や園芸のレベルであっても、水やりに失敗して枯らしてしまうということがなくなるかもしれません。もっと大きな視野で見ると、気象や災害などと土壌の関連など、様々な研究でも使われているものです。他にもpH値など様々なデータと組み合わせたり、色々な使い方をすることができます。簡単な装置であればかなり安価なものもあるので、一般の人が使用することも多いです。特に小型土壌水分計の場合、土に深く指す必要がないなど使いやすいものが多いです。数値の誤差が出やすいなどのデメリットもありますが、一般の人が使う分にはまず問題はないレベルです。

土壌水分計の種類


土壌水分計には色々な種類があります。計測方法の違いがメインですが、最もアナログな方法だと土壌水分計も必要ありません。素焼きのカップに水を入れて土壌に埋め、一定時間置いたあとに水がどれくらい減ったかを確認することでも、土壌の水分量はわかります。ただしこの方法だと正確な数値を出すのは難しいことと、長期的に計測するのには向いていないため、市販の土壌水分計を利用することをおすすめします。
市販のものにも、素焼きのカップを用いて計測するものがあります。テンションメーター測定法というもので、長期間水を補充しなくても利用できるようになっている製品が多いです。テンシオメーターと表記されている場合もあります。土壌に水が吸収されるのを利用しているため、最初に使う時には1時間ほど待つ必要がありますが、水がなくならなければそのまま使い続けることも可能です。他にもTDR法、ADR法というものがあり、どちらも金属製の棒状の電極を土に埋めて、電磁波を出して計測を行います。TDR法の場合、温度や塩分の影響を受けやすく、化学肥料などを使用している土壌にはADR法の土壌水分計を使った方が正確な数値を出しやすくなります。これらの方式ではすぐにpF値を計測することが可能ですが、ものによっては土壌に影響を与えてしまうものもあります。
通常のものよりも小さな小型土壌水分計もあります。これは複雑な設定がいらない手軽に使えるものが多いです。また持ち運べたり土壌に深く埋めなくてもよいというメリットもありながら、十分な性能を持ち合わせています。一般の人だけでなく、農家などでも十分使えるスペックを持っています。

小型土壌水分計の使い方


土壌水分計はどの方式かによって使い方が変わりますが、製品が違っても大体同じ仕組みなので使い方は変わりません。テンシオメーター測定法を用いた土壌水分計の場合、ポーラスカップと呼ばれる素焼きのカップを土の中に埋めます。カップに水を入れて1時間ほど放置すると、土壌との水分量の差の分水が出ていくので、その分容器の中は負圧になります。それを元にして土壌のpF値がわかります。長期的に計測を行いたい場合には、水を足す必要があるので気をつけましょう。TDR法やADR法の土壌水分計は、電極部を土壌に埋める必要があります。電磁波によって測定を行うので、水は必要なく結果もすぐに測定できます。小型土壌水分計の場合も同様です。
土壌水分計単体のものだけでなく、温度計やpH計などとセットになっていたり、他の機器と接続できるものもあります。単体でも使えて必要に応じて別の機器と合わせて使えるだけでなく、ケーブルやニードルなどのパーツが他のシリーズのものと互換性のある製品もあり、非常に便利です。共通のパソコンなどと接続できるものの場合、計測結果を継続的に記録することができるため、研究や実験に適しています。中にはBluetoothに対応したものもあり、色々な使い方をすることができます。
どの土壌水分計も電源が必要になりますが、電源の種類も機器によって違います。乾電池で使えるものやバッテリー駆動のもの、ソーラーパネルで充電できるものなど様々です。使う場所や期間、土壌の状態や目的などに合わせて適切な製品を選ぶことで、より正確な測定を手軽に行うことが可能です。

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