気象観測の機器を使う前に知っておきたい無電圧接点について

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気象観測の機器を使う前に知っておきたい無電圧接点について


無電圧接点の機器を選ぶにあたって



最近では個人や学校の授業で使用するためなどに気象観測の機器を購入する人もいます。気象観測のための機器にはたくさんの種類があり、選ぶ際には仕様等を確認します。その中には出力方法や材質、精度、寸法、重量など様々な項目があります。その中でも出力の項目に「無電圧接点」と記載されているものがあります。この無電圧接点の接点とは簡単に言うと、金属片を接触させたり離したりする動作をすることで電気を通したり遮断したりする、スイッチのような部分のことを言います。

機器が動くためには電気が必要ですが、その電気を流す力を電圧と言い、流れる電気を電流と言います。その電気が流れる回路にスイッチがある場合、普通は開いているので電気は流れませんが、スイッチが磁力など何らかの働きにより閉じることにより、回路がつながり電流が流れるようになっています。この接点には、電流を流した際に接点部分が閉じるA接点、電流を流した際に接点部分が開くB接点、電流を流すと複数の接点に切り変えることのできるC接点と様々な形態があり、一般的によく使われるのはA接点です。A接点はメーク接点とも呼ばれています。

無電圧接点の接点分によく使われるスイッチにリードスイッチと言うものがあります。これは鉄等の金属の素材に圧力を加えて加工したリード片と呼ばれる金属片2本を、窒素ガスなどの不活性ガスと共にガラス管の中に入れたものです。この2本のリード片は少し間隔を開けてガラス管の中に入っており、磁石が近づくと2本のリード片が磁気を帯びてN極とS極として引きつけあい、接触してスイッチの役目を果たします。無電圧の接点に使われるリードスイッチには、機器を軽量化したり、長く保ったりといったメリットがあります。



無電圧接点と有電圧接点の違い



気象観測を行うために使用する機器の中には、出力の部分に何Vと書かれたものと、無電圧接点と書かれたものがあります。これは、接点の部分が有電圧か無電圧かの違いによります。

無電圧接点という場合には、接点部分に電圧がかかっていないことを表しています。スイッチをオンやオフをする際にその元となる所からの電圧がかかっていないということで、制御する機器と制御を受ける機器の電圧が違う場合などによく使用される方法です。受ける側の電圧を使用することができるため、受ける側の機器は電圧をそれほど気にせずにすみます。また、乾電池のような直流電流や、家に流れてくるような交流電流などのように電圧に差があるようなものでも気にしすぎず使えます。計測をする機器から信号を出す際に使われていることが多く、マグネット様式のようなスイッチから信号を出す機械的な作りになっています。このような接点はドライ接点とも呼ばれることもあります。

それ以外のものは有電圧接点となります。有電圧接点は信号を出力する際に電圧を使用します。半導体と呼ばれる電気を通したり、通さなかったりすることができる物質を使い、その電気の通りの有る無しで機器がオンやオフされます。その機器からの電源に接続する接点なので、受ける側の機器は、その出力に合わせたタイプを選ぶ必要があります。電圧に差が出て合わない場合、故障などにつながってしまうこともあるので注意が必要です。そのため気象観測等で用いる機器に無電圧接点の仕様のものを選ぶと、対する機器の受け取りの際の仕様がはっきりわからない場合でも使いやすく便利です。



無電圧接点仕様の気象観測機器



気象観測機器の中で無電圧接点の仕様となっているものに、雨量計があります。雨量計にも測り方に様々な種類がありますが、無電圧の接点がよく使われているのは、転倒ます型の雨量計です。この機器に無電圧の接点が使用される流れとしては、まず受水器と呼ばれる部分に降ってきた雨水が入り込み、濾水器に集められて転倒ますという所に流れていきます。転倒ますはシーソーの様な形になっており、片方に決まった量の雨水が入ると、ガタンと傾き排水されます。それを繰り返すので雨量を測ることができます。転倒ますの下の部分にはリードスイッチがつけられており、転倒ますの軸についている磁石の動きによってスイッチのオンやオフを切り替えます。それによりパルス信号という一定の幅がある電気信号の波が出力されて、この信号が何回出力されたのかに応じ、雨量を測定するものです。このリードスイッチを仕様した構造により、スイッチ部分へのゴミの詰まりなどの故障原因から守ることができます。このようなタイプの転倒ます型の雨量計は軽量で他のタイプより比較的手間がかかりません。もちろん、落ち葉やクモなどの虫により、正確な測定が妨げられることはあるので、定期的なメンテナンスは必要です。

また、出力が無電圧の接点となっているものは他にも水位計があります。水位計はその名のとおり、川やダム、池などの水位を測ることができます。水位計にも測る方法がいろいろあり、それに応じて種類がありますが、無電圧の接点が使用されている場合はセンサーを測りたい場所へ投げ込むタイプが多く、簡単に計測をすることができます。

気象観測に使うこれらの機器を購入する際は、出力が無電圧の接点かということも考慮に入れつつ、問い合わせなどに応じてくれるところで購入しましょう。安い買い物ではないので、自分の使用環境などにあったものを購入するためにも、相談にのってくれるところを選ぶと、納得のいく物を購入できます。

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