気象観測所の役割や種類について

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気象観測所の役割や種類について


気象庁の気象観測の種類



南北に長く、季節や地域によって気象が大きく変わる日本では、大雨や台風など気象災害に度々見舞われ、地震や津波、火山の噴火など自然災害のリスクが高い特徴があります。国土交通省の所管である気象庁は、気象や地震、津波、火山活動など自然現象の変化を常時観測し、気象観測所の観測データの情報を各方面に提供して、経済活動や行楽などの国民生活に大きな役割を担っています。

気象庁による気象観測は、国際的基準に基づいて行われ、気温や湿度、降水量、風向き、風速、気圧、積雪・降雪の深さ、日照時間、全天日射量、大気現象などを計測しています。測定方法は一部を除き、観測者が目視によって観測する他、多くが計測器による自動測定です。気象観測の種類は地上での観測、気象レーダーによる観測、静止気象衛星による観測、ラジオゾンデによる観測、ウィンドプロファイラによる高層での観測の他、高潮を観測するための検潮所、波を観測するための沿岸波浪計などの種類があります。

気象レーダーはマイクロ波の直進する電波を使用し、短時間に半径数百キロの範囲で、雨や雪を観測することが可能です。静止気象衛星は、はるか上空の宇宙空間に静止している多目的衛星のひまわり6号を使用し、主に雲などの観測を行っています。ラジオゾンデは気圧計や温度計などを吊り下げた気球を利用し、上空の大気を観測する気象観測器、ウィンドプロファイラは地上から上空に向けて電波を発射し、そのドップラー効果を捉えて、上空の風を間接的に観測する装置です。気象現象を3次元的に正確に把握するため、これらのさまざまな観測方法による、観測機器を組み合わせて気象観測を行っています。



気象観測所は地上で気象を観測



気象観測所は、地上で気象を観測する施設を指します。全国に約60ヶ所の気象台・測候所があり、その内訳は管区・沖縄気象台が6ヶ所、地方気象台が50ヶ所、施設等機関が3ヶ所、測候所が2ヶ所となっています。気圧、気温、湿度、風向き、風速、降水量、積雪や降雪の深さ、日照時間、日射量、雲、視程(肉眼で物体がはっきり確認できる最大距離)、大気現象などの気象観測を常時行っています。

雲や視程、大気現象などは観測者が目視で観測し、その他は地上気象観測装置による自動観測です。気象台・測候所の他、全国に特別地域気象観測所が約90ヶ所設置されており、すべて地上気象観測装置による自動観測を行っています。

観測する要素に対応した測器と信号変換部からなり、気圧計を除いて、庁舎屋上や周囲の建物の影響を受けない場所に設置し、気圧計や信号変換部は室内に設置します。例を挙げると気圧や気圧変化、海面気圧などを測定する電気式気圧計、気温や水蒸気圧、露点温度、相対湿度、最高・最低気温などを測定する電気式温度計、電気式湿度計、携帯用通風乾湿計があります。この他にも、風向きや風速、最大瞬間風速などを測定する風車型風向風速計や、降水量や降水強度、大気現象などを測定する転倒ます型雨量計、感雨器などもあります。

気象観測所とは別に、地域気象観測システムのアメダスもあります。降水量や風向き、風速、気温、日照時間を地域別に細かく自動的に監視するシステムで、降水量の観測所は全国で約1,300ヶ所あります。



気象観測所の観測データの利用法



気象観測システムは気象庁の他にも、国や地方自治体などにより全国で約20,000ヶ所に及ぶ地点で実施されています。最近ではインターネットや携帯電話などIT技術を利用し、自らの観測結果を積極的に公開する機関も増えています。気象観測所を含め、気象庁の観測は国際的な基準に基づいて行われており、観測データは情報通信網を通じて、リアルタイムに国内及び世界各国に配信されます。

アメダスの観測データは気象予報の基準的データとして、多くの機関で活用され、TVニュースの天気予報などにより、視聴者に届けられています。地方自治体での観測データの活用モデルとしては、気象台での観測データが自治体の防災センターに情報として寄せられ、注意報や警報の発表に活かされます。また山林に設置した雨量計、川に設置した水位計などから観測データが防災センターに送られ、防災情報の収集に役立ちます。防災センターは気象台と気象情報を交換し、市町村や地域事務所に防災情報を配信しています。市町村や地域事務所からは広報車などにより、地域住民に防災情報を周知することができます。

気象庁は観測データにより消防庁への防災情報提供、都道府県と連携した洪水予報、アメダス解析雨量、短時間降水予報に役立てる他、海洋の変化や気候変動についての定期的な情報提供、経済産業活動の調査、研究などに活用されます。また、観測データから月の平均気温や平均降水量などの統計値を算出します。観測データを元に一日の平均気温など、日別の値を速やかに計算し、その値から月別、旬の値、統計値の極値と順位値などの値を計算し、統計資料として有効利用されています。

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