風力計の基礎知識・種類について勉強しよう

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風力計の基礎知識・種類について勉強しよう


風力計とはどのようなもの?



風力計とは、測候所や飛行場、山頂、建物のてっぺんなどに設置される風速を測定するための装置です。また陸上競技を行うにあたって、風速を確認するために用いられることもあります。陸上競技の場合はポータブル式のものが使われ、大会運営スタッフが手に持って測定することが多いです。

正式名称は、風速計になります。風を把握するためには、ただ単にスカラー量だけでなくどの方向から吹いているのか、ベクトルも理解する必要があります。このため、風速計はただ単に風速を測定するだけでなく、風向きも観測できるような形式になっています。よって風速計は風の強さだけでなく、風速や欺きの変化に対して敏感に反応するものではないといけません。

風速計の機能の良しあしについては、距離定数を使って判断することが多いです。これは風速秒速Vメートルに急変した場合に、風速計が0から0.63Vまでに要する時間を数値化したものです。専門的な用語もあるので難しいですが、一般の方は距離定数が少なければ少ないほどより性能に優れた風速計と考えればいいでしょう。風速計は、公共的な気象観測の場でも愛用されています。ただし公共的な気象観測をする際には、気象業務法に基づき、気象測器検定と呼ばれる試験に合格したものを用いる決まりになっています。



いろいろな分野で活躍している風力計



風は、気象要素の中でも重要な要素であると気象学の世界では考えられています。より大きな大気運動の動きを知るうえで、重要な指標となりうるからです。たとえば台風などの発達した低気圧が発生した場合、強風を伴う可能性があります。また前線や雷雨が発生した場合には、突風が起きるリスクも高くなり、建物の一部が飛ばされる、通行人がけがをするといった危険性も起きる恐れが高まります。暴風が吹き荒れた場合、車や鉄道の安全運航に支障をきたす恐れもあります。そのほかにも、飛行機の安全運行にも影響を与えるでしょう。海で強い風が吹けば、いわゆる大しけの状態になり、船の安全が確保できないことも考えられます。

また、風力計などを使って風の強さ・方向を把握することは、いろいろな予測にも使われます。たとえば、大気汚染情報を提供するにあたって欠かせない情報になります。最近では中国のほうでPM2.5と呼ばれる大気汚染が問題になっています。ところがこの中国で発生したPM2.5が風に乗って、日本に飛来することもあります。西日本はもちろんのこと、風向きによっては東日本や東北などにも流れる可能性があります。どこに有害物質の飛ぶ可能性があるのか、風力計を使えばある程度の予測が立てられます。

また春先になると、くしゃみや鼻水、鼻詰まりに悩まされている人もいるでしょう。花粉症に悩まされている人はいませんか?花粉症の季節になると天気予報で、花粉の飛散量の予測も報道されます。「どこにどれだけの花粉が飛ぶのか」「いつごろから何時頃まで飛散するのか」、これも風の強さ・動きが重要な判断材料になります。

さらに今後注目されているのが、風力発電の設置・運用への活用です。東日本大震災の福島原発の事故から、旧式の原子力や火力発電ではなく、再生可能でエコなエネルギーに力を入れるべきではないかという話が出てきています。

このように、風速計は様々なジャンルでさらに利用できるのではないかと期待されています。



風力計の種類を理解しよう



現在提供されている風速計を見ると、大きく3種類に分類できます。まずは風杯型風速計です。風杯型とは、風杯と呼ばれる半球もしくは円錐型のカップが回転軸を中心として、3つから4つ搭載されたものです。風杯が風を受けた場合回転運動がおこり、その回転速度を測定することで風速を計測します。

2つ目の風力計は、風車型風速計です。流線型の本体の船体に風車型のプロペラがついています。また、後部には垂直尾翼が取り付けられています。風が吹くとプロペラが回転するので風速を測定し、胴体がどのように向くかによって、風向きも一緒に計測できます。

最後の種類として、超音波型風速計があります。これは音波が空中を伝播する際に風速によって、変化する原理を応用したものです。発信部と受信部を向かい合わせにレイアウトされていて、ここから超音波をやり取りします。この際の伝播時間を測定して、風向きや風速を計測する装置になります。

この3種類の風速計が現在では主流になっているのですが、新しい機種も開発されており、光電式の機構を搭載したものが登場しています。従来は発電式のものだったのですが、回転部がスムーズに回らないリスクがありました。しかし光電式の場合、応答性が発電機式と比較して良好で微弱な風でも正確に計測できます。加えて、デジタル出力もしやすいということで使い勝手がいいとして注目を集めています。経時劣化もあまりないので、長時間観測するとか遠隔地からモニタリングするのに適しています。このような光電式の風力計は、気象庁をはじめとした公的機関でも導入をしているところも増えてきています。

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